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私は長らくMac miniをメインマシンとして使っていました。そのままでは写真加工や3Dモデリングにパワー不足を感じるため、外付けグラフィックボード(eGPU)をつけてパワーを補っています。
しかし、MacでのeGPU使用はなかなかトリッキー。スリープからの復帰が不安定だったり、作業以外の部分での小さなストレスがどうしてもついて回ります。
ただ、買い替えようにもなかなか以下の条件に合う機種がなく、今の環境を使いこなすことで乗り切っていました。
しかし、今年新たに登場したMac Studioがちょうど良さそうだったので乗り換えを決意。
実際に体験してみたところ、廉価なM1 max版の方でもMac mini + eGPU 環境より高い処理能力を示してくれました。数値上の比較にはなりますが、RX 5700 XTくらいまでのeGPUならMac Studio (M1 max)でもパワー不足を感じることはなさそうです。
以下に詳細を紹介しますので、同じような環境で乗り換えを検討している方は参考にしてみてください!
以下、今回比較したマシンの構成を記載します。いずれも吊るしのモデルではなく、プロセッサとSSDを一段階上のものにCTOしています。
Mac mini (2020) 構成
・3.2 GHz 6コア第8世代 Intel Core i7
・メモリ 64 GB (自前換装)
・1TB SSD
プロセッサとSSDを一つ上にCTOし、メモリは純正の8GBからサードパーティー製のものに自分で換装しました。
これだけでも、並の作業なら困ることはないスペックです。
Mac miniに接続したeGPU
・ SAPPHIRE PULSE RADEON RX VEGA 56 8G HBM2
・GPU BOX:Razer CoreX
いわゆるradeon vega 56。Apple純正のeGPUであるBlackmagic eGPU Pro と同等のものです。
価格は
Mac mini :16万8000円
eGPU :6万5000円(セットでメルカリ購入)
=23万3000円でした。
Mac Studio (2022)構成
・M1 Max (10コアCPU / 32コアGPU)
・メモリ 32 GB
・1TB SSD
こちらもプロセッサとSSDを一つ上のものにCTOしています。
価格は29万3800円。
eGPUのセットを定価購入したら同じくらいの価格帯になります。
Geekbenchは性能比較によく用いられるメジャーなベンチマークソフト。
まずはこちらのスコアを比較してみました。
Mac mini + eGPU
シングルコアスコア 1143
マルチコアスコア 5858
Mac Studio M1max
シングルコアスコア 1781 x1.56倍
マルチコアスコア 12726 x2.17倍
Mac Studio (M1max)はMac mini + eGPUに比べてマルチスコアで2倍の値を示しました。
Metalでの計測です。
Mac mini + eGPU 53348
Mac Studio M1max 71222 x1.34倍
こちらも30%程度向上しています。
参考まで、サポートされている最上位機種のAMD Radeon RX 6900 XT+Mac miniでは126382というスコアが公開されていました。
もっとも、Mac miniでここまでのGPUを使う人は多くないと思います。
もう少し一般向けなRX 5700 XT+Mac miniの公開スコアで 65083。
このあたりがM1maxと同等のグラフィック性能と言えるでしょう。
ちなみに、Mac Studio(M1 Ultra, おそらく48コアGPU) ではGPUスコア103162という結果が公開されていました。小さなボディでこのスコアは驚きですね。
続いて、実際の使用状況でどのような結果になるかを比較しました。
用いたのはBlender Benchmark Launcher。
これは3D グラフィックソフト「Blender」公式のベンチマークソフトです。こちらのソフトは3Dデータの書き出し(レンダリング)性能に特化した比較が可能で、3枚の3D イラストの書き出し時間をベースにスコアが算出されます。
Geekbenchよりも実際の使用環境に近いスコアリングができるはずです。
結果は以下の通り。
CPUスコア
Mac mini + eGPU 126.86
Mac Studio M1max 192.65 x1.52倍
GPUスコア
Mac mini + eGPU 635.44
Mac Studio M1max 703.37 x1.11倍
CPUスコアについてはGeekbenchとほぼ同様の結果ですが、GPUスコアの差は小さくなっています。
スコアだけでなく実際の処理速度がどのくらい違うのか、実際に3Dデータをレンダリングして時間を比較しました。
使用したのはBlender 3.1の公式配布データです。
設定は基本的にデフォルトのCycles レンダー(GPUレンダリング)のまま、実際の使用状況に近づけるため「タイルON・タイルサイズ 2048」にして比較しました。
Mac mini + eGPU 4:44.54
Mac Studio M1max 3:30:63
約1分14秒の短縮(約1.36倍)
結果的にGeekbenchのスコア比とほぼ同様の差になりました。
大体30%強の高速化に成功しています。
1つ驚いたのが、Mac Studioは画像処理中、発熱もファンの音もほぼ無かったこと。Mac miniは発熱が大きく(普段から本体上に3基のヒートシンクを載せているにもかかわらず)かなり熱を持っていました。
Mac Studioはあまりに静か、安定感が全然違います。
今回、Mac mini + eGPUとMac Studio (M1max) を比較してみました。
CPU, GPUスペック共に上回っており、ミドルクラスGPUを使用しているMacなら、M1max版Mac Studio でも十分乗り換え候補として視野に入ると思います。
実際に使用してみても、これまでのeGPU環境であった若干の不安定さ(スリープからの復帰やえGPU取り外し時のエラーなど) から解放され、PCの立ち上げがとても快適になりました。
処理能力自体は元々さほど困っていなかったこともあり、「少し早くなったかな?」程度で劇的な変化はありませんが、マシンの安定感(起動面、排熱面)を手に入れられたのはやはり大きいです。
私のようにMac + eGPUで使用していて、不安定さが気になっている人、もっとパワーのあるマシンに乗り換えたい人はMac Studioを検討してみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。
それでは。
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