オリジナルのアクリルカードスタンドを作ってみた【イベント用値札立て】

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オリジナルのアクリルカードスタンドを作ってみた【イベント用値札立て】

イベント参加時にあると便利なのがカードスタンド。通りがかりでも見やすいように値札を立てたり、サークル名刺を置いたりと地味に活躍するアイテムです。

私自身、今度参加するイベント用にカードスタンドを探していたのですが、市販のスタンドでピンとくるものが見つからず。かといって、スタンドを使わず、印刷した紙を折って値札を作る方法もしっくりきません。

せっかくなら理想を盛り込んだオリジナルデザインを作ってしまおうと、アクリルカットサービスを使って自作することにしました。

作ったカードスタンドの概要

  • 組み立て式(持ち運ぶ時にかさばらない)
  • 見やすい角度で値札・カードが建てられる
  • サークル名を型抜きしたたオリジナルデザイン
  • 耐久性がある
  • 5個で約4ドルと安価(1個150円ほど)

発注した業者やデザインのポイントなどをまとめたので、よかったら参考にしてみてください。

目次

どんなカードスタンドを作るか?

まず考えたのは、どんな構造・素材にするか。

一般的なカードスタンドの素材には、金属・木材・プラスチックなどがあります。製造方法は、金属や硬い木材なら削り出しや曲げ、木やプラの薄板ならレーザーカット、少し変わり種なら3Dプリンターなど。

この中で、小ロットで安価に仕上げられるのはアクリルや木材のレーザーカットです。

今回重視したのは、なるべくかさばらない薄さと軽さ。プラス、あくまで値札置きなので、目立ちすぎない存在感。

なので、材料は透明のアクリルにします。
使わない時はバラして保管できるよう、3mmほどの板を組み立てて作る形のスタンドを設計しました。

アクリルカードスタンドの完成イメージ
土台に背板と爪を差し込んで組み立てるイメージ

発注先は海外製造サービス・ELECROW

アクリルカットの発注先は、海外のメイカー向け受託製造サービスである『ELECROW』さんにしました。

ELECROWのアクリルカットメニュー
アクリルカットメニューは「More Services」の中に

ELECROWは中国にある基盤製造会社。
個人向けの小ロット製造も請け負っているため、電子工作趣味の人が自作基盤を発注するのによく利用します。

電子基盤以外にも、アクリルカットや3Dプリンティングなどのサービスがあるため、個人でものづくりをする人には非常に便利です。

何よりの魅力は破格の安さ。1データあたり最低5個の発注が必要ですが、10 x 10 cmサイズのアクリル板なら1枚1ドル程度でフリーカットができます。

これが国内のアクリルカットサービスになると【規定サイズのアクリル板代金 + カット長に応じた加工代金】が基本料金になり、30 x 30 cmサイズのフリーカットで3000円〜の価格帯になってしまいます。(国内サービスは対応が細やかで扱える素材も多いため、細部までこだわりたい時には向いています)

今回制作するカードホルダーは「小サイズ・複数必要・精度ほどほどでOK」と海外発注向きだったので悩む余地はありませんでした。

支払いと送料について

ELECROWの代金支払いは、クレジットカードかPaypal、電信送金に対応しています。安全面と手軽さから、私は基本的にPaypalで支払っています。

送料はどの発送方法を選ぶかによって幅があります。基本的に、時間と価格はトレードオフです。今回は急がないのでEconomy Express THZXR(普通郵便のようなサービス)を利用しました。

発送方法所要日数価格
Economy Express THZXR8-11日$5.70
Economy Express NEP6-11 日$7.08
OCS/ANA Express3-5 日$10.74
UPS4-6 日$16.74
DHL2-5 日$21.02
FedEx IP3-5 日$28.49

そこそこ急ぐ場合はOCS追跡や安全面を重視するときはDHLがおすすめです。

発注用データを作成する

発注先が決まれば、いよいよデザインの作成です。

ELECROWのアクリル発注用データは、CAD、CDR、AI、PDFの4形式に対応しています。

私は「Affinity Designer」というベクターソフトを使ってPDFデータを作成しました。もちろん「Illustrator」でも構いませんし、フリーソフトなら「Inkscape」なども良いでしょう。パスを扱えるベクター描画ソフト、あるいはCADソフトを使用します

データの線幅・線色の指定は特になかったので、私は線幅0.01mm、色は黒(#000000)、RGB形式で発注しました。

カードホルダーのの外形を作る

自作したカードホルダーの外径

100 x 100 mmのアートボードを作成し、アートボード内に収まるサイズでデザインを作っていきます。

土台は80 x 30 mm、背部分は80 x 40 mmの長方形をベースにしました。
カードを置いた時に程よく隠れる方がいいので、名刺より一回り小さいサイズ感にしています。

ベースを配置した後は、組み立て用の爪を設計。
3 x15 mm の長方形を3つ配置し、統合/差分で土台、背と一体化しました。

ロゴを型抜きするデザイン

このままでは味気ないので、サークルロゴを盛り込んだデザインにしましょう。

svgデータ化したロゴを読み込み、差分によって型抜きします。

このとき、細くなりすぎている部分や中空になってしまう部分はレーザーカットの際に脱落してしまうので、違和感が出ない程度にデータを修正しておきます。

型抜きするロゴのデータ修正
細かい模様は思い切って削除
細かくなる部分のデータ修正
タの丸部分を形が崩れない程度に太く

また、ロゴが小さいと型抜きが難しいため、抜き幅が1mmを超えるようにロゴサイズを調整しておきます。ついでに外形もダイカットっぽく変形させてみました。

最後に、カードをセットする用の爪と差し込み部分を作って完成です。爪は長さ違いで15 mm、20 mmの2種類をセットしてみました。

完成したアクリルカットデータ

デザインの注意点

  • アクリルを抜き/残しする部分は幅1 mm以上確保する
  • レーザー照射によりカットラインに0.2 mm程度の誤差が出る(噛み合わせ精度が必要な部分はタイトめに設計する)
  • 90°カットした断面は案外鋭いので、角は2-3 mmほど丸めると◯

納品されたカットアクリル

到着したカットアクリル

発注したアクリルは、約二週間ほどで到着しました。国内の配送は日本郵便のようです。

アクリル両面には保護用の剥離紙が付いています。

カットアクリルの仕上がり(ロゴの型抜き)

型抜き部分の変形や脱落もなく、綺麗にカットできています。

「ガ」の濁点部分は細かくて心配だったのですが、エッジの潰れもなく想像以上の仕上がりです。

カードスタンドの組み立て

組み立てたオリジナルアクリルスタンド

剥離紙を剥がし、スタンドを組み立ててみました。ピカピカのアクリルに背景が反射して写り込んでいます。L字の組み立て部分がやや不安定ですが、綺麗に仕上がっているんじゃないでしょうか。

組み立て部分については、背板もアクリルスタンドのような差し込み式にした方が安定感がありましたね。少しかさばってしまいますが、アクリル用接着剤で固定してしまうのも手です。

ELECROWのアクリルカットは透明・不透明色のバリエーションも多いので、イメージカラーにあわせて色々作ってみても面白いかもしれません。

良かった点・改善点

良かった点

  • 自分のオリジナルでカードスタンドが作れる
  • 下手な市販品を買うのと大差ないコスト感
  • 仕上がりが綺麗

改善点

  • 背板は90°噛み合わせより差し込みが◯
  • カード立て用の爪は15mmだけでよかった
  • せっかくのロゴがカードに隠れて目立たない

まず何より、オリジナルのカード立てが作れた、という満足感が素晴らしいです。中華業者を利用しましたが、加工も発想も問題なし。ドル払いなので円安価格が痛いですが、一個150円程度、送料込みでも2-300円程度に収まるのは嬉しいですね。

ただ、デザインはもう少し改善の余地がありそうです。もし作り直すとしたら、背板をもっと安定感の出る差し込み式にして、ロゴが見える高さにするでしょうか。

最後に

今回、アクリルのレーザーカットサービスを利用してオリジナルのカード立てを作ってみました。

点数をつけるとしたら100点中95点くらいでしょうか。若干の改善点はありますが、仕上がりの美しさと「オリジナルの什器をオーダーした」実感にとても満足しています。

今月参加予定の文学フリマをはじめ、イベントの名札や名刺立て、自宅でのメモスタンドとして活用したいですね。

アクリルカットで同様のアイテムを作ろうと考えている方に、この記事が参考になれば幸いです。

ELECROWからは新規ユーザーに向けたキャンペーンも用意されているので、興味がある方はぜひ利用してみてください。

https://www.elecrow.com/referral-program/NDg5ODVqMnQ

新規ユーザーの方は上記リンクから発注いただくと5$分のクーポンが入手できます。

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