狭ピッチ自作キーボード向けに0.8Uキーキャップを自作した【②3Dプリント編】

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狭ピッチ自作キーボード向けに0.8Uキーキャップを自作した【②3Dプリント編】

この記事の続きです。

キーキャップのモデリングが完了したので、家庭用3Dプリンターを使って印刷していきます。

目次

光造形3Dプリンターでいざ、印刷

データのスライシング

まずは以前の記事で作った3Dモデルを、スライサーソフトに放り込みます。

私が使用しているのは無料の「CHITUBOX」
こちらで原型に対しサポートを配置して印刷用データを作っていきます。

いくつか傾きをつけてデータを作成しました。

傾きを0度、15度、30度、45度の4パターンで、印刷にどのくらい差が出るかテストしてみたいと思います。

この画像ではまだサポートをつけていませんが、外周に9箇所、内側4箇所に細いサポートを配置しました。おそらく綺麗に印刷できそうな30度と45 度は、サポート本数を極端に減らしたもの(外周4箇所のみ)も用意してみます。

3Dプリンティング

使用したプリンターは「ELEGOO Saturn S 」

5万円台で買える光造形式で、印刷サイズが19.6 x 12.2 x 21.0 (cm)と広いのが特徴です。

私が使ったことのあるプリンターは本機と「Phrozen shuffle lite」のみですが、本機は値段の割にかなり印刷が早く、精度も高いように感じます。

積層の状態をよく見たいので、レジンはANYCUBICのクリアレジンを使用しました。

洗浄にはIPAが必要ですが、スタンダードUVレジンの中でトップクラスに安価な製品です。

積層ピッチは0.05mm、露光時間2秒でテスト印刷してみました。

3Dプリンターで試作した自作キーキャップ
  • 0度
    凹の中に溜まったレジンが抜けず、サポートの付け根がかなり太ってしまっている。天面の積層痕も一番目立つ。
  • 15度
    0度ほどではないけどサポート根本が太って底面の輪郭が歪んでいる。
  • 30度
    造形は綺麗。サポートを減らしても破綻していない。全体の積層痕も一番マシ。
  • 45 度
    サポートを減らすと破綻するけれど、おおむね綺麗。側面の積層痕が目立ち始める。

30度が安定していますね。

印刷精度を上げるための最終調整

このまま本印刷に入ってもいいのですが、印刷中、凹面へレジン液が溜まってしまうと印刷物が歪む原因になります。

レジン溜まりを可能な限り減らすため、印刷角度を横方向に45度ずらし、◇形になるように配置しました。

この条件で印刷したのがこちら。

3Dプリントした自作キーキャップ

条件は先ほどと同じく、積層ピッチ0.05mm、露光時間2秒です。

レジンはELGOOの水洗いレジン(ホワイト)に変更しました。
カラーレジンになると積層痕もほとんどわかりませんね。

完成!

このような流れで自作の0.8Uキーキャップが製作できました。

モデリング〜印刷条件の決定、印刷物の表面仕上げまで、余暇時間をフルに使って2-3週間くらいかかったでしょうか。時間はかかりましたが、気に入ったデザインのものが作れて満足です!

家庭用プリンターでも、印刷条件次第で十分なクオリティを出すことができます。カタログスペックよりも、印刷モデルの配置とサポートの付け方が重要な印象ですね。

この記事が皆様の参考になれば幸いです。

今回試作した0.8Uキーキャップは、その後本製造を行いました。

BOOTHでも販売していますので、狭ピッチキーボードを使っている方、興味がある方はよろしければ覗いてみてください。

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