AI Chat GPT Stable Diffusion イベントレポ インディーゲーム キースイッチ デスク周り 推し活 水族館
Category:
姫路城で有名な兵庫県・姫路市。
近隣の観光地としては姫路セントラルパークや太陽公園、神社仏閣なども有名ですが、ぜひ足を運びたいのが手柄山公園内にある「手柄山温室植物園」。
熱帯と乾燥帯の2つの温室には、珍しい果樹やラン、塊根植物などが植えられ、約1500種2万株が常時展示され、季節ごとの企画展も随時開催されています。
メジャーな観光地ではありませんが、植物好きにはたまらない魅力たっぷりな植物園です!
姫路市立 手柄山温室植物園
〒670-0972 姫路市手柄93 手柄山中央公園内
『手柄山温室植物園』は、兵庫県姫路市の手柄山中央公園にある植物園。大小2つのメイン温室とロックガーデン、希少な湿地植物を育てる温室、ハーブ園などを備えた施設です。丸い温室の天井が印象的ですね。
入園料は大人210円、6歳から中学生は100円。
姫路駅からもほど近く、山陽電車に乗って一駅。手柄駅から歩いて5-10分程度の場所に位置しています。
手柄山植物園にはメインの熱帯・亜熱帯第温室、砂漠植物の小温室のほか、展示室が2つと、ロックガーデン、希少な湿地植物の栽培施設があります。
展示室は時期によって様々な企画展が開催されています。
私が訪れた2024年1月31日は、様々なエアープランツやその近縁種を展示した『エアプランツとその仲間展』の会期でした。
エントランスを抜け、分かれ道になった展示室の右手にあるのは、本植物園のいちばんの見どころである『大温室』です。
入ってまず感じたのは、暖かさと湿度。
熱帯の森を探検するように順路が巡らされており、一周するだけでワクワクした気分を味わえます。
天井に届きそうほど高くそびえる熱帯植物たちがダイナミックです。
鮮やかな熱帯の花やランなども多く、季節によって様々な花も楽しめます。
温室中央近くには雰囲気たっぷりな橋も。
下には小川があり、裏手の食虫植物コーナーに向かって流れていました。
食虫植物コーナーの方は小さな池になっています。
大温室内に2箇所ある休憩ポイントの立地も絶妙で、1つは木々に囲まれた場所に、もう1箇所はブーゲンビレアの木がある小さな広場にベンチが置かれていました。
ベンチに座って、ゆったりとした時間を楽しむのもいいですね。
大温室の反対にある部屋は、サボテンや塊根植物、アガベなどの乾燥系植物が植えられた『小温室』。
真っ先に目に飛び込んでくるのは、入り口向かって正面の大型サボテンたちです。その左手の通路沿いにはコーデックス、右手側にはアガベが中心に栽培されています。
この温室で展示されているのは普及種・栽培品種が多いですが、とにかくよく育った大型の株が見事です。
メインで展示されている株以外にも、窓辺にいくつもの鉢が置かれている様子は植物好きにはたまりません。「こんな風に育ててみたい!」とマニア心をくすぐられます。
また、温室の外側も見逃せません。
小温室を出たところにある花壇にも、いくつものアガベが植えられています。日光をたっぷり浴びて成長したアガベは、綺麗な真ん丸なフォルム。
おや……?
なんと、いくつもの株が花を咲かせているではないですか!
アガベはある程度大きくならないと開花しないため、花をつけるまで数十年かかることも珍しくありません。それがいくつも咲いた跡があります。
この株は栽培品種の「笹の雪」。
お店でもよく見かける種類ですが、ここまで大きく育っているのも、数メートルの高さにまで長く大きな茎を伸ばした姿も、その状態で成長を終えた姿も、初めて見ました。
アガベは一度咲いたら枯れてしまうので、とても貴重な光景です。
続いては、植物園エントランスのちょうど反対側にあるロックガーデンの方へ。こちらは真冬は少し寂しげです。
このロックガーデンはグレビレアやカリステモンなどのオーストラリア産の植物が中心になっているそうで、岩肌の質感と相まってワイルドで個性的な雰囲気があります。暖かい時期には鮮やかな草花も見られるんだとか。
このガーデンの一角を使って、日本の希少植物を保存している区画もありました。
ロックガーデンの遊歩道の先には、姫路市の市花であるサギソウを栽培展示した温室が。
サギソウは、鳥のシラサギが羽を広げたような形の花をつける、湿地性のランの一種。開発による湿地の減少や栽培目的の採集によって数が減少しており、環境省レッドリストにより準絶滅危惧指定を受けています。
手柄山温室植物園では平成15年から専用の温室を設け、サギソウの保護に乗り出しました。球根の植え付け時期をずらすことによって、一年中いつでもサギソウの花が見られるように栽培されています。
サギソウ同様、手柄山温室植物園ではいくつもの希少な湿地植物を栽培しています。
サギソウ温室の近くに湿地植物の栽培ゾーンが設けられているほか、大温室、小温質の外側にも湿地植物の鉢が多数置かれていました。
ただ、湿地の植物だけあって、どれも真冬は休眠中の様子。こちらは湿地に水が満ちる6月ごろが見頃かもしれません。
地味な見所が多い手柄山植物園、よく見てみれば珍しい植物はまだまだ沢山ありました。
例えば、入り口横にあまりにもさりげなく置かれた「ニュートンのリンゴの木」と「メンデルの葡萄」。どちらも歴史的科学者に由来のある植物そのものから株分けした由緒ある株。その控えめな佇まいは、もっと主張してもいいのに……と感じるほどです。
また、こちらは姫路市の市のチョウに指定されているジャコウアゲハの幼虫が餌にする「ウマノスズクサ」の栽培コーナー。
日本のアゲハチョウの多くはミカン科の植物を餌にするのですが、ジャコウアゲハは有毒のウマノスズクサ類の葉を食べることで体に毒を溜め込みます。そのため、鳥に襲われにくいのだとか。
シーズンにはこの植物園で育ったジャコウアゲハも見られるようです。
植物園と合わせてチェックしたいのが受付横のレストハウス。こちらには植物やグッズを扱う売店や、ちょっとした休憩コーナーがあります。
売店はミュージアムショップというよりは植物の直売所のような様相。企画展や季節に合わせて扱う植物は変わるようで、この時期はチランジアやブロメリアが中心に販売されていました。
奥の休憩コーナーには植物関連の本や学会誌などを収めた本棚も。来訪者は自由に閲覧できます。
その横にはしれっと植物育成用の人工気象機なども置いてありました。
いや、もっとアピールしていってもいいのでは???
手柄山温室植物園は、規模としてはこぢんまりしてるのに見所がぎゅっと集まった、密度がすごい植物園でした。
大小の温室はどちらも迫力があり、湿地植物にはここでしか見られないような希少な植物も沢山。あまり大々的にアピールをしていないのが勿体無いくらい、植物好きにとってはたまらないスポットです。
平日はかなりゆったりとした時間が流れているようなので、もし近くに住んでいたら毎日でも通いたいくらいです。年間パスポートや前売り券の販売は無いため、その点だけが残念ですね。
機会があれば、ぜひ訪れてみてください。
コメント