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ゆっくり解説風、キャラクターエミュレートなど、趣味用途でも様々なプロンプトが提案されているChat GPT。私も何か上手い使い方ができないかな、と模索を続けています。
今回はChat GPT3.5を使って、短い漫画用シナリオの作成からコマ割りの提案までをやってもらいました。
コマの大きさや構図を提案してもらえるので、ネーム作成の効率化がはかれそうです。
やったこと:
これだけで大まかなコマ割りのレイアウトや視点を書き入れてもらうことができました。
実際の指示や細かい工程について紹介します。
コマ割り処理までの大まかな流れはこんな感じです。
すでにアイデアやシナリオの流れがある場合は、その内容を提示します。
今回はここもChat GPTに頼ってみました。
別チャットにて、中世ファンタジー調の短いシナリオを出力してもらいます。プロンプトでは「小説の〜」となっていますが、大きな問題はないでしょう。
「女騎士と魔女の出会い」のシーンを提案されました。
このうち、冒頭の部分を切り出して、漫画1pに落とし込んでみます。
先ほどのシナリオを渡す前に、ChatGPTに効果的な漫画のコマ割りについて質問します。
いきなり「漫画のコマ割りを考えて」と指示するよりも、事前にどのような点に気を配るべきか整理させた方がアウトプットのクオリティが高くなるためです。
有用な情報をまとめてくれました。普通に勉強になります。
今後、質問への回答は本内容に従うように指示し、次の皇帝へ移ります。
次のシーンを丸ごとChatGPTに渡してみます。
”ある日、騎士団の一員である主人公の女性が、森で迷い込んでしまいます。そこで彼女は、強力な魔法使いであるもう一人の女性と出会います。彼女は、主人公を助け、魔法で迷子から救ってくれました。”
続けて、コマ割りの注意点も追記します。
ここの指示が詳細かつ効果的であるほど、出力のクオリティが高くなります。「魅せるシーンなので臨場感のある構図にしたい」「分割を少なめにしてコマあたりの情報量を増やしたい」など、想定している表現がある場合は盛り込んでおくといいかもしれません。
これらの指示から、Chat GPTはシナリオを5つのコマに分割してくれたようです。
整理すると以下のような内容になりました。初めから表形式で出力させてもよかったですね。
シーン | コマ | 視点 |
---|---|---|
主人公が森の中で迷っている | 四角形、 中サイズ | 背後からの視点 |
主人公が不安そうに森を見つめる中、もう一人の女性が現れる | 四角形、 中サイズ | 正面からの視点 |
もう一人の女性が主人公を助けてくれる | 三角形、 大サイズ | 斜めからの視点 |
魔法で周囲が光り輝き、主人公が安心した様子に変わる | 四角形、 小サイズ | 主人公の視点から見たもう一人の女性の背中の後ろからの視点(?) |
主人公がもう一人の女性に感謝の気持ちを示す | 四角形、 小サイズ | 主人公ともう一人の女性を同じ高さに描いた正面からの視点 |
視点の指示が変な部分はありますが、一旦これでネームに起こしてみます。
視点の指示が変だったり、絵にしてみると違和感のあるシーンがあったので、多少の手直しは必要でしょう。
ですが、大コマ・小コマのメリハリなどは悪くないように思います。
コレまでの工程でネームは完成しているので、あとは自分の絵として清書するだけ。
ですが、せっかくなので、ここでもAIにサポートしてもらいましょう。
各コマの人物について、構図をStable Diffusionに指示してイラスト出力しました。あくまで参考として、自分のタッチで清書するので、顔や服装のクオリティは度外視しています。
イラストAIが登場した初期の頃なら、これでも十分「AIで描いた漫画」としてバズが狙えそうです。
これにペン入れ、仕上げをして、完成!
手前味噌ですがこんな感じに。
さて、実際AIのサポート込みでどれくらいの作業時間だったか、大体の時間を書き出してみました。
操作 | ツール | 所要時間 | メモ |
---|---|---|---|
シナリオの指示と出力 | Chat GPT | 5分 | 自筆なら文字起こしが必要 |
コマ割り用プロンプト作成 | Chat GPT | 1時間程度 | プロンプトが固まれば省略可能 |
コマ割り案の出力 | Chat GPT | 1分 | |
コマ割りからネーム作成 | 自分 | 30分程度 | |
参考画像の出力 | Stable Diffusion | 1時間程度 | 自筆なら不要 |
ペン入れなど | 自分 | 2時間程度 |
シナリオ作成からペン入れまで、計5時間くらいでした。ある程度の流れがつかめたので、2回目はもう少し時間を短縮できそうです。
プロンプトや参考画像の作成に時間を食ってしまっていますが、注目すべきはネーム作成までの速さ。
ネーム作業は何度も書き直すのが前提なので、ラフなアイデアを早く出してくれるChat GPT はかなり便利です。シナリオや構成案さえしっかりあれば、漫画制作を効率的に進められるかもしれません。
今回、Chat GPT にシナリオを分割してもらい、1p分の漫画のコマ割りを作成してもらいました。
思ったより「軽いアイデアをポンと出してくれる」GPTの存在は便利で、ネーム作業のトライ&エラーをより手軽に進められそうです。
一方、chat GPTは「漫画の構図」という概念を理解して出力しているわけではありません(少なくとも2023年3月時点、Chat GPT3.5では)。
特に今回のようなプロンプトでは、あくまで「シナリオをある程度の区切りで分割」しているのが主で、コマの構図や視点はランダムに生成された結果である可能性が高い印象です。
あくまでもアイデア出しの一環、「お題メーカーの賢い版」くらいの位置付けとして、上手に付き合っていくのがいいのかもしれません。
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