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2018年9月、Twitterを中心に「クッパ姫」関連のイラストが盛り上がりました。
海外発のネタとのこともあって、ワールドワイドに広がっているようです。
二次創作としても面白いし、クッパ姫がめちゃくちゃ好みなので楽しく一連の流れを見ていたのですが、一部で著作権に関わる問題も目にしたのでこちらの記事を書くことに。
具体例としてはこの辺です。
・同人グッズ印刷所の受注不可ツイート
・ネットメディアの任天堂公式への問い合わせ
今回のことに関わらず、話題が大きくなりすぎて”やらかす”人が増えてくると、今後のファン創作のありかたにも響いてきそうだなと思い、ファンアートに関連する権利問題について少し纏めてみました。
一連の流れは以下の通りです。
マリオ新作『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』で、キノピコがピーチ姫に変身できる専用アイテム”スーパークラウン“が発表
→海外のファンが”クッパがピーチ姫に変身“するファンアートをTwitterに投稿
→界隈が大盛り上がり
→キングテレサ姫、ワンワン姫等の派生が多数生まれる
個人的には界隈が大盛り上りで、素敵な二次創作作品が多数生まれて楽しかったのですが、あまりに急激に盛り上がりすぎたのか色々と問題がおこり始めました。
内容としては
“「クッパ姫」のイラストを使用したアクリルキーホルダーの印刷依頼を受けたグッズ印刷会社がキーホルダーの受注を断り、権利の問題について二次創作者への注意喚起を行った“
という旨になります。
個人的には「キーホルダーはそりゃダメだろ」という印象だったのですが、ツイートの雰囲気から予想する限り、同様の問い合わせが多く寄せられた様子。
同人は基本的にグレーな界隈ですが、その中でも立体物(イラストを使ったキーホルダーや小物など)は特にNGとされています。理由は公式グッズと見分けがつきづらく、いわゆる「海賊版(無断複製)」との明確な線引きができないため。
最近、オタク文化が広く受け入れられるようになり、色々な方が参入するようになった弊害か、権利についての認識が甘い二次創作者が増えてきたように感じていました。今回のような”祭り”の勢いでそのような方が特に目立ってきた印象です。
そうこうしているうちに、某ネットメディアが創作の「クッパ姫」祭りについて公式へ問い合わせるという行動に出ました。
公式からの返答は「ネットの書きこみ内容についてはノーコメント」。
同人界隈の暗黙の了解で成り立っている部分が大きく、二次創作について明言していない公式への問い合わせは基本的にタブーに近いです(最近は二次創作のガイドラインを設けているところも多いですが)。今回の問い合わせについてはいわゆる「やらかし」で、場合によっては関連のファン活動に大きな制限がかかる可能性もありました。
寛大な対応を頂けて少し安心、といったところですが、この件については結構受け取りかたが分かれているようですね。
(あくまで「個人の枠を超えた二次創作はグレーゾーン」というのが前提です。)
同人誌やイベントなどはあくまで公式から「黙認されているだけ」。
本来は著作権などもろもろ触っちゃうところを(本やグッズだけじゃなくコスプレも商標権とか引っ掛かる可能性があります)ファン活動の一環としてノータッチでいてくれているだけなんですよね。
公式が見て見ぬふりをしてくれているところに「ねぇあれどうなん?いいの?違法ちゃうん?」と聞きにいけば、公式側としては「まぁ違法です」と答えるしかありません。そうなれば公的に回答してしまった以上、二次創作を完全に規制するしかなくなり、ファン活動の衰退を招きます。
「いやいや法的グレーなのが規制されて何が悪いの?」と思う方もいるでしょうが、公式としてもファンの盛り下がりはコンテンツの盛り下がりにも繋がりかねないために規制は難しく、度を越さない限りは触れずにいたいデリケートな領域のようです。
ゲームの実況プレイやファンアートなど、権利的にはグレーでも無料のプロモーションとして非常に強力な一面もあり、企業側もうまく活用する流れもありますしね。
ここは非常に難しい問題なので詳細なコメントは避けますが、私たちファンにできることは適切な「ファン活動」の範囲を認識して、公式に不利益を出さないように楽しむ事です。
じつは、完全な二次創作派生キャラの場合、法的な著作権は二次創作者にありま
(例:オリジナル敵キャラや、原作にはいないクラスメイトなど)
ですが女体化や擬人化等、”元のキャラ” が存在する二次創作の場合は「意匠権(デザイン)」「商標権(キャラ名)」などが絡んできます。(原型を色濃く残している場合は「著作権」も。複製にあたると判断されたらアウトです)
今回の「クッパ姫」関連の場合は公式の権利に触れているといえるでしょう。
派生キャラではなく元キャラが存在しますし、クッパの名称も使用しています(そもそも頭に乗ったスーパークラウンはデザインそのままですし)。
なので「クッパ姫」及びその派生を扱う上ではあくまで“ファン活動としての範囲内“にとどめる必要があります。
作品によりボーダーは異なるので一般的な線引きについて解説です。
二次創作に寛容な会社もあれば、絶対に認めないという会社もあります。
必ず公式のガイドラインを確認したうえで活動しましょう。
基本的には「無償かつ個人・内輪で楽しむ範囲ならセーフ」「利益が絡みはじめたらアウト」との認識でいいと思います。
その中でも同人・二次創作界隈のグレー領域の境目は”利益重視で販売していないか、海賊版と混同されないか”が目安とされています。
以下、何が“ファン活動としての範囲内“で何がアウトなのか、よく言われている部分をまとめてみました。
基本的にはOKです。
“無償で個人的に楽しむ”ぶんには著作権にも抵触しません。
ですがPixivファンボックスのようなプラットフォームでマネタイズするのはアウトです。あと、あまりにも目に余る場合はおそらくNG。公序良俗に反したり、著しく作品イメージを損なうものが大人数の目に触れる状態になっているとか、成りすましのように公式に不利益が出る場合ですね。
”二次創作といえば同人誌”のイメージが強いですが、実は金銭が絡む以上著作権的にはアウト。ですが、公式からファンの交流の一環としてお目こぼしされているのが現状です。
ここでも公式の利益を損なわないか、よほどの利潤を追求していないか、というのが大事。同人誌の電子書籍はNGとされる場合が多いですが、これは印刷費がかかる紙媒体の本に対して、電子版は利益につながりやすいためだと考えられます。
余談ですが、もともと同人誌即売会は”本と本の物々交換”のためという名目で行われていたんですよね。なので「販売」ではなく「頒布」、払うお金はあくまで本の製作費であって権利侵害ではないです、という名目でファン活動を黙認してもらっていました。
最近はそのあたりの事情を知らず「お客さん」に「販売」というスタンスの方が増えていて、危機感を覚えている古参の方々も多いとか。
前述の通り海賊版との区別が難しい関係で、一番厳しいのがグッズ系。
ガイドラインで同人誌を容認している作品でも「立体はNG」なところは多いです。グッズ作成を行う印刷所の方も、最初から「立体モノでは版権は扱えません」と定めているところもあります。
元のキャラクターの姿を留めていないもの(イメージアクセサリーや完全な擬獣化など)はかなり白に近いグレーだと思いますが、線引きは作品により異なります。
コスプレも実は、「キャラの意匠」などの点で権利にひっかかる可能性があります。
グッズや本の頒布よりもずっと内輪で楽しむ側面が強く、基本的に利益が出ることも珍しいためファン活動の中では寛大な扱いをされていて、最近は一般からの認知も広がってきました。
ですが、さすがに公の場で公序良俗に反することをやらかすとか、有料オンライン配信、エロ系写真集を作成、大規模な電子販売などはアウトになる可能性もあるので、良識とガイドラインの範囲内で楽しみましょう!
ファン活動って結構複雑なんですよね。
個人で絵を描いたり仲間内で楽しむ分には問題ないな事でも、PixivなどのイラストサイトやTwitterでは不特定多数の目に触れて問題が起きることも少なくありません。
同人活動も言わずもがな。
あくまで「ファンの交流・楽しみ」として黙認されている部分が大きいので、公式の不利益になるような行動は慎んで、規定の範囲で楽しむようにしたいものです。
それでは!
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